治療中断は危険です

数ヶ月前に他院で治療した虫歯。治療の途中だったが、深い虫歯だったので神経を残して治療をして欲しいと来院されました。


この時点で神経が機能している反応がないため、根管治療が必要と説明をします。

歯髄腔と呼ばれる、神経のあるスペースにまでアクセスしましたがカラカラに干からびています。このように感染が進行すれば本来あるはずの神経、血管といった組織は壊死します。前回の治療から期間が経ちすぎて感染したと考えられます。
このまま根管治療を続ければ問題ないのですが、今回は治療をするか考えたいということで連絡待ちとなり、数ヶ月経ちました。



数ヶ月後、腫れたので治療をしたいと連絡がありました。
急性化し、膿瘍を形成しています。応急処置として、切開排膿させます。


根管内もご覧のように出血、排膿がありますので洗浄をします。
ある程度落ち着いたところで応急処置は終了です。

次の来院時には腫脹が改善したので根管充填まで終了させました。
開口量のない方の奥歯の治療は非常に辛いのですが、苦労しながらの治療です。
埋伏歯もあるため、こちらへの感染の波及などがあると大変なので、治療には随分と気を遣いました。
術前と比べるとやはり周囲の歯槽骨の吸収がおきているのがわかります。

3ヶ月後の経過観察では、周囲の骨が再生し構造がやや明瞭になっているのが分かります。
歯の治療、特に根管治療に関連したものは放置することで悪化していきます。適切なタイミングで適切な治療をしていくことが患者さんの利益に繋がります。
顕微鏡を使用した根管治療の場合、1回の治療時間は90分程度で約束をとるので3回程でほとんどの治療は終わります。あまり時間を空けず短期集中で治療をしたい方にもおすすめです。

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